京町家の余白
暗がりを残しながら、奥の庭まで風を通した住まい。
作品集 / 01
大阪と京都の町並みに残る時間を読み、暮らしの明日まで設計します。住宅、公共建築、保存改修の現場から、素材と光の答えを紹介します。
選ぶ / 02
敷地の履歴と使い手の動線を重ね、図面だけでは伝わらない居場所まで見せます。
暗がりを残しながら、奥の庭まで風を通した住まい。
家の中心に小さな庭を置き、季節の変化を毎日の景色にした。
木架構のリズムで、人が集まり声が響くホールをつくった。
淡い和紙の光が商品と客の距離を近づける店舗内装。
設計の視点 / 03
木曾檜は手に触れる場所へ、淡路瓦は雨を受ける屋根へ。土壁は湿度を調整し、和紙建具は昼と夜の境目をやわらげます。素材を先に決めるのではなく、敷地の気候と使い方から選びます。
照明は器具を目立たせず、陰影の深さを整えます。図面、原寸模型、現場の職人との納まり確認を重ね、左官職人や工務店と同じテーブルで細部を決めていきます。
進め方 / 04
調査から引き渡しまで、判断の根拠を共有します。段階ごとに確認できます。
古い図面と現地の寸法を照合し、光、風、音の入り方を記録します。
周辺の町並み、既存材の状態、法規条件をまとめ、残すものと変えるものを整理します。
平面図と模型を行き来し、家族や利用者の動きに合う寸法を探します。
素材のサンプルと照明の明るさを現場で確かめ、予算と工期に合わせて優先順位を決めます。
職人と納まりを確認し、図面の線を実際の手触りへつなげます。
工務店、左官、建具、照明の担当者と定例を行い、変更点をその場で記録します。
声と相談 / 05
「古い梁を残す判断に、寸法と費用の根拠がありました。家族も工事の進み方を理解できました。」
寿恵 岩下 / 住宅施主
保存すべきものと更新する場所を、現地調査の初日から具体的に示してくれました。照明の実験を夕方に行ったことで、町家の暗さを欠点にせず活かせました。工務店との打ち合わせにも設計者が同席し、細かな納まりまで話が止まりませんでした。
Yoshio Nakaizumi / 改修工事担当